中国最南端で約1万年前の旧石器時代の遺跡発見―海南省
2025年5月18日(日)9時0分 Record China
海南省で約1万年前の旧石器時代の遺跡が発見されました。
中国科学院古脊椎動物と古人類研究所の南或河遺跡発掘チームの責任者が14日、海南省白沙リー族自治県金波郷の南或河遺跡が、海南省で初めて発見された原野に残された旧石器時代の遺跡だということを確認しました。
南或河遺跡は金波郷の石碌河上流の支流である南或河北岸に位置しています。この遺跡は2023年に旧石器時代を主体とした文化遺跡と認定されました。中国科学院古脊椎動物と古人類研究所、海南省文物考古研究院、中山大学が2024年9月から12月にかけて、中国国家文物局の許可を得て共同で南或河遺跡を発掘しました。
南或河遺跡では現在までに、石で作られた文化財6000点以上、土と石で作られた文化財2万点以上が出土しているほか、多くの果物の殻や木炭片が発見されています。推定では、遺跡の年代は今から約1万年前とされています。
発掘の結果、囲炉裏の跡および良い状態で保存された、人類が石器を制作した現場、さらに残された果物の殻などから、古代人類がここで石器制作などの生産活動を行い、生活していたと推測できます。
現在の限られた発掘と調査の結果から見て、南或河遺跡は海南省で最も面積が広く、保存状況が最も良好で、地層の堆積が最も厚く、文化層序が最も多様で、出土した文化遺物の数が最も豊富で、しかも明確な年代序列を持つ、唯一の先史時代の原野遺跡であることが分かり、海南地域の先史時代考古学における遺跡の類型と文化的内容を大いに充実させるものであり、考古学上の重要な価値を持っています。
これまでの初歩的な観察と整理の結果から見ると、南或河遺跡で発掘された石器は中国南方地域の礫石器文化の伝統的な特徴を備えてはいるものの、現在みられる中国華南地域の石器の技術的特徴とは異なっています。(提供/CRI)